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VOL41 ─良いかばんを考える(4)─

□□昨日のつづき□□

2004年3月20日号  VOL.041

──良いかばんを考える(4)──

 良い鞄の見分け方について、<大前提はハギの無い革を使っていることである。>この事は前回までに詳しく述べたので、その他のチェックポイントを書いて行こう。

 (3)金具のチェック
フリーハンドがアトリエを開設して約25年経つがその間に持ち込まれた鞄修理の内容は、9割以上が金具の破損によるものでありファスナー交換も含めて大半は金属の磨耗による破損が原因となっている。
読者は驚かれるかも知れないが、あらためてオイルレザーの強さを認識されると思う。

 さて、実際に毎日使われるような鞄は、それだけに金属の摩擦が避けられず、いつか金属割れを起こす。 修理を予想すれば出来るだけ鞄の解体を伴わない金属交換を予測してデザインされている必要がある。  チェックポイントとしては使用された金具類が鞄本体にどの様に取り付けられているかを見れば判断出来るであろう。専門的な知識は必要で無い。  金具が壊れる事で、収納された大切な内容物が落ちてしまう様な形状をした鞄は、直せる事を想定して作られていない。金具自体を本体に埋め込んでいるような物は論外だ。

 補足だが、鞄金具は強度から見ても真鍮製が望ましい。
鉄やニッケルをメッキした物は錆びやすいし脆い。 緑青を嫌う人がいるかも知れないが拭き取れば良いだけの事だ。  F.Hでは真鍮にゴールドやシルバーのメッキをかけた物を出来るだけ使用している。  見分け方ですか?・・磁石を使って下さい。

 (4)ストラップやハンドルの取り付け方
鞄本体に縫い付けられた部分の最も上部に位置するラインが、ダブルステッチされているかチェックする。
または、その位置に金属カシメが正しく打ち込まれていれば、ここから壊れる事は無い。

 次回は縫製について。

                       ──次号につづく── (F)