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VOL40 ─良いかばんを考える(3)─

□□昨日のつづき□□

2004年2月20日号  VOL.040

──良いかばんを考える(3)──

「良いかばんを考える」シリーズが中断したまま早や3ヶ月・・・深謝。
さて、あまりに間があったので、復習しよう。  良い鞄=長く使える丈夫な鞄と言う視点で考えてみる。  分かり易いチェックポイントは

(1)底を見る。(2)背側を見る。(3)持ち手の取り付け方。(4)金具のチェック。(5)縫製のポイントの5つ位に絞ろう。

それ以外は『うんちく話』になってしまう。

(1)底部の作り方
殆どのBagで最もチェックすべきポイントであろう。
前回書いた様に、鞄の中に収納された荷物の重量(負荷)は、すべて底部の革が支えている。  従って、丈夫なBagを作ろうとすれば、底部はハギの無い1枚革で作られていなければならない。  製造コストを圧縮する目的で、2枚以上の革をつなぎ合わせて底部を作ると、いつか必ず糸は切れる。  底部の修理は総解体が前提である為、事実上修理は不可能だ。
良心的な職人は、底部のハギ合わせは決してしないものだ。

(2)背側のチェックポイント
ブリーフケース等に代表されるような鞄の開口部にかぶさる「蓋」のついたBagの重要なポイントは背側にある。
鞄を斜め後ろから見て、かぶせ蓋を開け閉めすると、最も革の動きの大きい部位は、背側の上部にある事が分かる筈だ。  と言う事は、最も可動する部分に革ハギを入れてはいけない・・・・の答が導き出される。  従って、この形のBagは背側から持ち手の取付け部を通って前面まで1枚革で作られているのが正しい。

前回でも述べた通り、革製品はパーツを小さくする程コストが抑え込めるのでまるでデザインの様にステッチ使いをするメーカーがあるが、ハギ合わせが多い程堅牢度は小さくなるものだ。

<Simple is Best>なのである。

──次号につづく── (F)