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VOL 3 「閑話休題(話かわって)」

□□昨日のつづき□□

2002年10月15日号  VOL.003

フリーハンドのキャラクターマークは<オオカミ>である。
正確に言うと、北ヨーロッパからシベリヤに分布する金色オオカミ(Golden Wolf)だ。<犬>だとか<北キツネ>だとか思っていた人はしっかり覚えて下さい。尻尾が太いでしょ? 足にツメがあるでしょ?(狼は長距離ランナーじゃないんですヨ)

子供の頃に読んだ本に<野性の狼の餌付けは出来ない>と書いてありました。
野性狼は人間に捕獲されると、生肉を眼の前にして、食べぬまま餓死を選ぶんだそうです。
何と言う強烈なプライドか、何と孤高な生命かと感動してしまったのです。  (本のタイトルも、その研究者、著者も思い出せないのです。スミマセン)  (注)

次に読んだのは、早川書房刊、平井和正著「狼男・シリーズ」です。もうすっかり狼ファンになってしまって・・・  脱サラして、会社を起こし、革のアトリエを開いて、直営店をオープンした時、当たり前のように<オオカミ>をマークにしてしまいました。

日本人の手は、その器用さと繊細さにおいて、フランス人やイタリア人に負けはしないと思ってましたし、素材の革は、もともと動物たちの皮だということもあり、四季のある日本人の命に対する優しさは西洋人に誇れる観念だと思ってましたから、私達日本人の生み出す鞄や靴は、いつかヨーロッパの<ブランド>に追いつき追い越せると信じているんです。

「信用」「信頼」は広告宣伝で作り出すものではなく、<時間>を積

み重ねることで熟成してくるものだと考えています。
その積み重ねる時間の途中で、利益のみを追求したモノづくりをせぬように自戒し、まして大資本の<甘いエサ>に飛びつかぬよう自分たちを律する為に、フリーハンドは<オオカミ>をマークにしています。

(F)
──次号につづく─

(注)現在ドイツで、広大な自然公園の中で野性狼と人間との接触研究が行われているようです。白水社刊ウエルナーフロイント著「オオカミと生きる」