□□昨日のつづき□□
2003年11月5日号 VOL.036
──良いかばんを考える(2)──
鞄とは何か? 荷物を入れて運搬する道具である。
では、収納される内容物の重さは、どの部分のパーツが支えているのか?
当然、底部の革がその負荷を受け止めることになる。 地球に引力がある以上ポーチであろうがトートやボストンであろうが、この原則は変わらない。
家を建てる時、耐久性を重視するのなら、柱や壁や屋根に注意を払う前に土台にこそ最も着目すべきであろうが、鞄も同じで、消費者が最初に気になる点はデザインであり・色であり・トレンド性であろうが、『長く使いたい』の思惑が加わるのなら、この底部の作り方を見る事で、そのメーカーや職人達の考え方や鞄づくりに対する姿勢を判断出来る。 即ち、結構高額な価格で購入したものが早い時期に壊れてしまったりする失敗を回避出来る。
──次号で詳細に説明する──
革の特性の一つに摩擦・磨耗に強いと言う利点がある。 その強さは現存の繊維のいづれよりも強靭であり、したがって(丈夫な鞄とは、縫製された糸の総量に反比例する)上記の意味を逆に言えば、革のパーツは大きければ大きい程、丈夫なBagが出来るし小さなパーツをつなぎ合わせているもの程、こわれ易くなるとも言える。
また、荷重のかかった底部を含め、鞄全体を運搬し易くし、重量を分散させている部分が持ち手であり、ストラップであるが、ここも重要なポイントであろう。
Bagの形状からチェック点を探すと、ブリーフケースは背側に着目せねばならないし巾着型Bagの絞られる部位、ダレスBagやドクターズBagには特徴的なチェックすべき部分がある。 それら知っておいて損をしない話などは、また明日。
──次号につづく── (F)