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VOL37 ─投票に行こう─

□□昨日のつづき□□

2003年11月15日号  VOL.037

──投票に行こう──

 遠い昔、20歳になったばかりの頃、初めて得た選挙権の証しであるハガキを持って投票所に行った。  なんの選挙だったか全く覚えていないが、その時以来20才台も30才台も一度も投票に行かなかった。 投票所であった中学校は自宅の道路をはさみ目の前だというのに、二十数年も棄権し続けていた。

 興味が無かったのではない。 友人達とは酒の席などで、この国の有り様について語り合っていたし、戦争や福祉や経済政策についても、自分なりの考えを熟成させていたが、それでも棄権し続けた理由は<自分の一票で政治が変る訳では無い>と半ば以上諦めていたからだ。  今、心から反省している。我々の無関心を装った諦めこそが、今の醜悪な利権政治を育て守り続けた真の原因であったのであろう。

 投票率が30%の時、その4割を得て当選した議員の現実の得票率は全体の12%しか過ぎない。 汚職で収監された人間ですら、100人の内、12人の利権構造の中にいる人間の投票で当選出来るのだ。 その議員は「ミソギは終わった」と叫び、自分を当選させてくれた12人の為にせっせと働くことだろう。他の88人を苦しめることになったとしてもである。  しかし同じ事でも、過半数の51人に支持されて当選したとしたらこの議員は組織票である12人の為だけで動けるだろうか? 自分の行動を100人近くの人が見ているとプレッシャーがかかるだけでも、本来あるべき職務を思い出す事だろう 。

 選挙とは、それぞれの利益代表を選ぶと言う側面も確かにある。
しかし、少なくとも国会議員の選出だけは、各々の利害で決めるべきでは無いと思う。

政権党でも万年野党でも宗教党でも良いが皆で投票しに行こう。投票率が上がれば棄権票が減れば、彼等だって少しは支持母体の利益ばかりを考えなくなる。

                        ──次号につづく── (F)