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VOL72 ―復興の妨げ―

☆☆☆ フリーハンド ☆☆☆

2012.03.19

━━━ 復興の妨げ ━━━
コラム「昨日のつづき」  Vol.72

 

新聞のアンケートで、国民の82%が復興は進んでいないと答えているそうです。
復興の遅れている原因は?の問いに対しては、瓦礫の処理が原発の問題に次いで多かったようです。
原発事故と事後処理は1朝1夕には済まない事は分かっていますが、瓦礫の問題は知恵の出しようは有ると思っています。

(被災地復興は日本人すべてが共有すべき問題だ)(手助けしたい・応援したい)、そんな気持ちは100%の国民が考えていると思います。
でも、瓦礫の処理を全国で分担して引き受けようと言う話になると、
(放射能は大丈夫かしら)(乳幼児への影響が心配)(子ども達の遊び場が汚染されるかも)のような不安が増して来て、(出来れば、わが町だけは受け入れないで欲しい)と思ってしまいます。

なぜ女性言葉で書いたかと言うと、妊娠期・授乳期の子どもを持つお母さんたちの不安感が男の私でも痛いほど理解できるからです。
(かけがえのない子どもたちの未来と、ふるさとの美しい自然を放射能汚染から守りたい)のは誰だって願っていることなんです。

問題は、そんなお母さんたちに(安全だと発表する国の測定数値は信用できない)(市長は、瓦礫の処理を含めた復興予算を利権にしたいのだ)(東京都が焼却を委託したのは東電の子会社なのだ)などと言って、不安感をあおるような、日本と言う国が嫌いで嫌いでしようがない人たちや、次の選挙で当選することしか考えない議員とその取り巻きがいる事です。  彼らは自分では前面に立たず、ヒステリックになって泣き叫ぶお母さんたちを「反対する会」の代表にして署名活動を始めたりするのでしょう。

結局、国会は法案を作って全国の自治体に処理を分担させることになりそうです。
瓦礫の処理の速やかな解決が大事なことは、ハエが大量発生した昨年の4月には分かっていた筈です。
今更ながら、何の解決力も説明能力も無い国の指導者たちに怒りを通りこして悲しい気持ちになってしまいます。

「地元に利益を誘導できるかどうか」を基準に国会議員を選んできたツケがまわってきたのでしょう。
地元への利益誘導を一生懸命やるのは知事や県会議員の仕事ではありませんか?
国民の生命と財産を守る、今回のような非常事態に対処するのが国会議員の仕事ではありませんか?

例えば、津波で被災し更地になった沿岸部に、瓦礫の処理施設を数十か所建設し、早急な処理を始めてさえいれば、復興予算は被災地に集約投下され、仕事を失った方の雇用も生まれ、新たな産業の育成にもつながります。
先ほどの東京都が依頼した東電の関連会社がそうであるように、ゴミを焼却するにはエネルギーが必要ですが、ゴミ自体も燃える事で
エネルギーを生み出します。 つまり湯も沸くし発電も出来ると言う事になります。

数十か所はそれ自体が先々の被災地の強力なインフラ設備となって行く筈です。
建設場所が私有地である事など、さまざまな難しい問題は多いでしょう。 全体の復興計画の中にどう位置づけるかの議論も必要でしょう。

でも、それらを討議し実行に移していくのが政治と言うものではないでしょうか?
政局ドラマにはうんざりしています。 今は国難とも言える非常時なんですから。
( F )