□□昨日のつづき□□
2002年10月15日号 VOL.003
☆☆☆ フリーハンド ☆☆☆
2010.12.25
━━━ 「登山靴」について考える ━━━
コラム「昨日のつづき」 Vol.68
皮靴は雨の日に履けない!・・・ですか?
もったいないから・・・が理由の人はそれでいいです。
「皮」が雨に弱いから・・・と思っている人は大きな間違い!
きっと、雨の日に歩いて皮が水を吸って乾き上がった時に、変形していたり色褪めしていたり、の経験が有るのでしょう。
冬の氷雨の中を歩いて靴が濡れて、そのうち靴下に水が浸みて来て悲惨な思いをした方も多いのでしょう。
でも、考えて見て下さい。
冬山登山をする人が水が浸みて靴下まで濡れるような靴を履いていたら、どうなります? 夜は氷点下の気温ですよ。
チョモランマじゃなくても遭難状態ですよね?
戦闘状態の中の兵隊の靴はどうですか? 冬場に戦争はしませんか? 冬のシベリアでは戦争はしないものなんですか?
旧日本軍も日露戦争や満州北部で戦争をしていたんですよね?
結論を書きます。 今の靴屋さんや百貨店で売っているクロームなめしの靴とは皮のなめし方が違うんですよ。
登山靴も軍用靴も当然ながら丈夫さが最も重要な急所です。
堅牢度の強いタンニンなめしの皮を太番手の丈夫な糸で縛りあげるように作られているんです。
オイルを含ませて磨き上げるように履いていたんです。 だって、靴の手入れを怠ると自分の命に直結してしまうんですから。
今は革製の登山靴なんて見なくなりましたね。
山ガールなんて流行っているようですけど、ナイロン系のカラフルな
軽登山靴ばかりです。
登山専門店に行っても、クローム系の革にシリコンで撥水加工した「アンフィビオレザー」なんて登山靴ばかりですものね。
筆者も山歩き趣味が有るので「アンフィビオレザーの靴」を買った事はあります。
軽くて履きやすいような工夫があって良いのですけど、本格的な山に挑戦する時「命」を預けようとはとても思えませんね。
何故なら、撥水加工はしばらくすると効果は抜けて無くなってしまいます。
オジさん世代のロマンかも知れませんが、山から下りて来た時・次に挑もうとする山に思いをはせながら、
苦楽を共にした靴を磨くって良いものですよ。
( F )