□□昨日のつづき□□
2005年1月5日号 VOL.049
──過去を捨てる──
先日、TVを見ていたら、高校生・大学生の中に、ケータイの月間通信費が数万円もかかる人が、かなりの比率で居ると言っていた。 その為にアルバイトをするとも言う。自分にも覚えがあるが、この年代は<友達>の存在が何よりも大切なものであり<一人ぼっち>の恐怖が何よりも耐えられない事なのだろう。 しかし、人間にとって<孤独>は、扱い方によっては己自身を育んでくれる絶好のチャンスでもある。慣れきった意味の乏しい言葉の往復から逃れ、自分を見つめ直す貴重な時間でもある。
自分自身で大切にしていた事が、実は浅薄な習性であり、本当は意味や意義など何も無くて、ただの悪癖だったなんて事は沢山ある。 喫煙や寝酒など、その代表格であろうし、だらだらと残業しているのも、休日に仕事をしてしまうのも、気合だ・根性だ・連帯感だと叫ぶのも、みんなこの悪癖なのかもしれない。
<人は、過去に培って来た様々なものを、一度捨てる必要があるのかも知れない>
我々のフリーハンドショップも、種々なキマリ事を作って来た。
「オイルレザーしか作らない」「最大1色10点しか作らない」「リピートはしない」「雑誌の取材は受けない」「百貨店への出店はしない」 etc, etc.....
新年を機会に、自らに課した二十数年の約束事を捨ててしまおうか? 勿論、ここまでフリーハンドを支えてくれたユーザーの皆様の意見を聞いてからの話だけれど。
1分1秒も無駄に出来ない忙しい年の瀬に、いろいろ考え込む様な悪癖も捨てねば。
読者の皆様にとって良い年になりますよう願いながら、今年最後のペンを置こう。
来年もShopへのサポート同様、このコラムへのご意見・感想など、どしどしとヨロシク。
──次号につづく── (F)