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VOL19 ─サントリーレッドの呪い(3)─

□□昨日のつづき□□

2003年4月15日号  VOL.019

──サントリーレッドの呪い(3)──

 「世界中で1番良いBAGを作っているのはTokyoのFreeHandだ。」と評価されるよう我々のアトリエスタッフは頑張っている。
いつの日かパリやミラノの人々が飛行機代と長い時間をかけてTokyo・Harajukuに買い物に来る日を夢としている。

 【サントリーレッドの呪い】のかかったあの日から約20年が経った。
世界で1番良い・・・・・と言っても、FreeHandは宝飾系Bagを作るつもりは無い。クロコダイルやオーストリッチ等の稀少動物を売り物にする気も無い。昔ながらの自然な製法の牛革や豚革で「生活道具としての鞄」を、出来る限り壊れないよう丈夫に作っているつもりだ。

 情熱を持った若いクラフトマン志望の社員も増えて、あの日計算した生産量も充分に確保した。  しかし、あの時考えの及ばなかった大きな問題点は、ユーザー側にこそ存在した。  何度も書いてきた様に、革の良し悪し・品質の優劣を見分けるべきユーザーに革に対する知識が欠落していた。  この国では売れる売れないを決定づ
ける最も大きな要因は、広告宣伝の量でしか無かった。

 最初に開いた六本木のお店は芸能人の溜まり場となり、売れる店ではあったが目標としていた店とは違った。  雑誌や新聞・TVの取材を受けると、その様な客が増え、作ったものを大切にして下さるような「お客様」は稀少であった。
原宿の中心地で20年近く開いていた店も、周囲の環境が渋谷と変わらない様態となった為、現在の駅から離れた処に移転した。 (以前の原宿はオシャレだったのに)

 今FreeHandは原点に戻って、自分達の作っているものを自信を持って説明し、その真意を充分に理解して下さる「お客様」を数十年満足させようとあらためて決意している。  ホームページで自分の使っているBagなどの画像を送って下さる
<ヘビーユーザー>の方々を裏切らないホンモノのクラフトマンショップを目指して。

                                   (F)
                             ──次号につづく─