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VOL.011 第9回 (2)靴のメンテナンス

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□□昨日のつづき□□       2003年1月25日号  VOL.011
□■メンテナンス・シリーズ
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第9回 (2)靴のメンテナンス

 一般的に靴に使用される牛革や豚革などの素材は、スムース(無地又は型押しなど吟面付きのもの)とスエード・ヌバックなど起毛されたものに分類される。 
今回はスムースの革靴について配信します。

 【1】 
スムースのお手入れは、まず豚毛などの毛足の硬めのブラシでほこりや汚れを落とすこと。

 【2】 
靴用のクリーナーを使用して革の表面に付着している汚れや、表面に残っている油分やワックスを落とす。

 【3】 
シューズクリーム(靴墨)を小さいブラシで塗布していく。(注1)
(小さいブラシは使い古した歯ブラシで代用しても良い)
ある程度塗布したら、毛足の柔らかな馬毛などのブラシを使用して全体に均等になる様にのばしていく。

 【4】 
クリームを塗布した後、乾燥した布で空拭きをする。 円を描く様に軽く磨いていくとツヤが出やすい。(注2)

 【5】 
コバ部分はブラシを使用して泥や汚れを丁寧に除去してから磨くと良い。 その後ブラシにクリームを少量とり、コバに沿ってこするのではなく、コバに押し付けたブラシを外側へはじく様にすると革を傷めることも少なくて良い。

 【雨】 
大雨に濡れた時は革の表面に白い粉が浮き出してくることがある。 これは汗の塩分が蓄積されたもの、また保革成分として使用されている油脂が雨によって溶け出して表面に出てきたものである。 このような場合はクリーナーを布に含ませて、白く浮き出た塩分や脂分を拭き取っていく。
シワになっている部分は柔らかいブラシを使用して丁寧に取り除くと良い。
勿論、濡れた靴はシューキーパーを入れて形を整え風通しの良い場所で陰干しすることが必要である。 シューキーパーが無い場合は新聞紙を詰めて形を整えても良いが靴が乾燥するまで、新聞紙をまめに取り替える必要がある。

 【日頃の注意】 
同じ靴を2日連続して絶対に履かないこと。 休息を与えずに履き続けていると、シワの部分が深くなり革切れを起こし易くなる。 履かない時はシューキーパーを入れて形を整えた状態で休ませること。

 (注1)
シューズクリームは乳化性と油性タイプがある。 乳化性タイプはしっとりとした色がつき、革への栄養補給の効果があるが、油性タイプはツヤを出すことに適しているが頻繁に使い過ぎたり、1度に大量に使用すると革の表面にロウの層が出来る為通気性が妨げられてヒビ割れの原因となることがあるので注意すること。

 (注2)
よりツヤを出したい時はコットンの布でシューズクリームを塗布する。 布に固形の油性クリームを少量とり、軽く水を含ませてから塗っていく。 水を含ませることでクリームの中のロウが膜を作り、より光沢を出すことが出来る。但し、これは固形の油性クリームを使用する時のみ有効な方法である。