□□昨日のつづき□□
2003年1月25日号 VOL.011
──遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます──
さて、今年2003年4月は「鉄腕アトム」の誕生する時である。
科学技術省(と言ったと思う)の長官、天馬博士が死んだ我が子に似せて作りあげたヒューマノイドに「アトム」と名付けたのだ。 しかし、愛情を注いでも少しも成長しない事に腹を立て、ロボットサーカスに売り飛ばしてしまう。それを救い出した御茶ノ水博士と共に世界の平和のために戦うのだ。
子供の頃、夢中で見ていたTVアニメの中にはワクワクするような未来があった。<21世紀>になにかしら人類の輝かしい未来をイメージしていたような気がする。子供にとって当時のキューバ危機も現在のテポドンも興味の外なのは同じなのだろうが何とはなしに考えている半世紀先の未来を、今の子供はどう想像しているのだろうか?
もうずっと昔に子供でなくなった筆者は、2050年や2100年のイメージなどワクワクするどころか、地球の暗いイメージばかり浮かんでしまい考えることすら恐ろしい。せめて10年先位で、地域の世界でなく日本の事をと思ってみるが、こちらも寂しい限りだ。 元日の新聞で若手政治家達の抱負が載っていたが、民主党の枝野幸夫氏のいわく「現政権を壊した後、それに代わる価値観が思い浮かべられない。代わるものが見つからないから倒閣に向かってまとまり切れない」と語っていた。筆者の若いころ流行していた「アメリカンドリーム」「ジャパンドリーム」は、既に死語になってしまったのか? 野党第一党の政策通に<夢>が描けないのだからそれも無理ないことなのだろう。
さて我らフリーハンドの社員は、全員がクラフトマンであるから、それぞれの革なり布なり金属なりを手で触れながら、如何に造形し完成度を高め、<信頼>の前提となる技術を習得し、世から忘れ去られようとしている<職人気質>を守っていこうと決意している。 それが数十年後の輝かしい未来への道だと信じて。
(F)
──次号につづく─