VOL.006 第4回 ヌメ革のお手入れ

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□□昨日のつづき□□       2002年11月15日号  VOL.006
□■メンテナンス・シリーズ
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第4回 ヌメ革のお手入れ

【使い始める前に】

 ヌメ革はタンニンで鞣した素染め(未処理)の革である為、水や油を吸収しやすくシミになりやすい皮革素材である。
したがって、使い始める前に防水スプレーをかけてシミの予防をする事が大切である。
防水スプレーはシリコン系とフッ素系のものがあるが、フッ素系の方が革の中まで浸透しないので、シミになる恐れが少ない。  スプレーを使用する時は革に近づけ過ぎず(30cm程度離れて)1度かけるだけでなく、「スプレーをかけて乾燥させる」ことを2~3度繰り返すとより効果的である。

【日常のお手入れ】

 使用後に乾いた布や柔らかいブラシ等でほこりを落としておくこと。
(ほこりは湿気を含んでカビの原因になることが多い)
雨等に濡れた時はすぐにタオル等で水分を拭き取ること。

【汚れ】

 軽い汚れであれば、消しゴムタイプのクリーナーを使用する。  クリーナーで汚れた部分を少しづつこすって落としていく。  但し、こすり過ぎると革の色落ちを起こしたり、革を傷めてしまうので注意。  消しゴムは使用する前にゴムに汚れが付着していないか確認する。
(前回使用した時の汚れがついたままこすってしまうと却って汚れを広げてしまう)

 消しゴムタイプで落とせない位の汚れは、乳化性のクリーナーを使用する。
革に直接塗るとシミになりやすいので、柔らかい布にクリーナーをよく馴染ませて全体を一気に拭き上げる。
その後、クリーナーを拭き取る様に軽く空拭きをする。

【油分と栄養補給】

 クリーナー使用後や革の表面がパサついた感のある時は、油分と栄養の補給が必要な為、ヌメ革専用のクリームを使用する。  補給するタイプは、液体はシミになりやすいので避け、固形かムース状のものを使用すること。  どちらを使用する場合も革に直接塗らずに、柔らかい布にクリームをよく馴染ませて、全体に均等に薄くのばす様に塗ること。
 クリームを革に浸透させたら、乾燥した布で全体を空拭きしてツヤを出す。

【雨ジミ】

 雨に濡れてシミになった場合には、タオルに水を十分に含ませて(軽くしぼる程度)革全体を素早く均等に拭き上げると目立たなくなる。
但し、この時革に相当の水分を含ませている為、きちんと形を整えて
風通しのよい場所で陰干しをすること。
早く乾燥させる為に、ストーブの近くに置いたり、ドライヤーの熱風を使用すると形くずれや革の劣化につながるので注意!!
また、シミになってから出来るだけ早く対処することが大切である。
何日も放置した後で行っても効果は無い。

【カビ】

 カビを生やしてしまった時は、熱めの湯で蒸しタオルを用意し(火傷に注意して行うこと)カビを拭き取る。  糸目などに生えている場合は古くなった歯ブラシ等で取り除くと良い。  拭き取った後は風通しの良い場所で陰干しして乾燥させること。
 カビは一時的に拭き取って目立たなくする事は出来るが、革の繊維にカビ菌が根をはっている為、温度、湿度、通気などの条件が揃うと、再び革の表面に生えてくる事が多い。
 したがって日常の予防が特に大切である。

【色落ち】

 革の色落ちが気になる時は、バインダー等の色止め剤を表面に塗ることで抑える事が出来る。  但し、色止め剤は革の皮膚呼吸も止めてしまうので、革の為には本来的には良いものではない。  どうしても使用する時は、スプレータイプのものがムラが少なく塗れて良い。
 色落ちは、革に使用されている塩基性の染料が、人間の汗によって引き出される事で起きる為、汗をよくかく時期には色の淡い衣服の着用を避けるのも対処方法の一つである。

【保管】

 長期間使用しないで保存する時は、ほこりにならない様に通気性の良い袋(不織布等)に入れて、風通しの良い場所で保管すること。(ビニール袋で密閉して押入れやクローゼットの奥に入れないこと)
 また、保管する際に他の皮革製品と密着した状態であると色が移る事があるので注意!!

【日焼けは厳禁】

 ヌメ革は色変わりが楽しめる素材であるが、意図的に直射日光に当てて色を変えようとしないこと!!  これは我々人間が日焼けするのと同じ事であり、革の水分、油分が蒸発して皮膚繊維を脆くする原因となる。  先ゆき革切れやひび割れを起こしやすく取り返しのつかない事になるのは言うまでもない。