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□□昨日のつづき□□
□■メンテナンス・シリーズ 2003年2月15日号 VOL.013
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第11回 革ジャン、革コートのお手入れ
【日頃のお手入れ】
着用後に毛足の柔らかいブラシでほこりを落としておく事。 ほこりは湿気を含みカビの原因となるので常に気をつけておくと良い。
【雨】
濡れたときは出来るだけ早くタオルなどでたたく様にして水分を拭き取りハンガーにかけて形を整え風通しの良い場所で日陰干しをする。
早く乾燥させる為にストーブやドライヤーの熱風を当てたりすると革が収縮し、形崩れを起こすことがあるので注意。(ドライヤーの送風可)
【汚れ】
軽い汚れは消しゴムタイプのクリーナーを使用する。 クリーナーに汚れが付着していないか確認し少しずつこすっていく。 但し、こすりすぎると革の色が落ちたり革を傷める事があるので注意。
汚れが目立つ時は乳液状のクリーナーを使用しても良い。
クリーナーを直接革に塗るとシミになりやすいので、必ず柔らかい布にクリーナーを馴染ませてから全体を素早く拭き上げる様にする。(注1)
直接皮膚が接触する襟、袖、ポケットの口等は脂汚れが付きやすく放置すると黒ずんでくるので適時行うと良い。
最後にクリーナー成分を拭き取る様に空拭きをする。
【栄養】
クリーナー等を使用した後は油分と栄養分の補給をしておく。
乾いた布にスポーツオイルを適量とり全体に延ばすように塗っていく。肘、袖口、裾等、曲げたりすれたりする部分は念入りに行うこと。 オイルを補給した後に乾いた布で空拭きをするとツヤも生まれてくる。
【金具】
ファスナー ・・・ すべりが悪くなったらファスナースライダーを塗布する。 ロウソクをこすりつけても良い。
ホック ・・・ 止まらなくなった場合は販売店、メーカーに相談し
て交換してもらうこと。
【保存】
革衣料で最も多いトラブルが「カビ」。 カビは表面を拭き取って一時的に目立たなくすることは出来るが、カビ菌が革の繊維に根を張っているので温度、湿度など条件が揃うと再びはえてくる。
そうならない為に、特に長期間着用しない時の保管には注意すべきである。
長期間保存する時は上記の【汚れ】【栄養】のお手入れを行った後に、十分日陰干しをする。 ジャケット、コートの肩の厚さに合うハンガーにかけほこりをかぶらない様にして(注2)、風通しの良い場所に保管しておくこと。
重量のあるコート等は、ハンガーにかけるとそれ自体の重さで伸びてしまうことがあるので大きくたたんで(シワを少なくする様に)保管した方が良い。
ハンガーにかけた時もたたむ時も必ず1着ずつ袋に入れること。
色の薄いものと濃いものが密着した状態にあると、色が移る事がある。また、クローゼット等に詰め込んだ状態にあると前後の洋服のファスナーやボタンのあたりが出てしまうことがあるので余裕あるスペースで保管する事。
上記の点に注意していても時々取り出してチェックをし、風に当てること。
(注1)
クリーナー等を使用する際は必ず目立たない部分で試すこと。
揮発性の高いものは色落ちを起こすだけでなく革の表面が浮き出してしまう(吟浮き)ことがあるので使用厳禁。
(注2)
通気性の良いもの(不織布など)で出来た袋を使用すると良い。
ビニール袋は通気性が悪く湿気がたまりカビの原因になるのでゼッタイに使用しないこと。
(皮革製作室) (N)