このサイトでしか手に入らない手作り品です(詳しくはInformationをご覧ください)

VOL.012 第11回 スエード・ヌバック靴のお手入れ

----------------------------
□□昨日のつづき□□        2003年2月5日号  VOL.012
□■メンテナンス・シリーズ
----------------------------

第11回 スエード・ヌバック靴のお手入れ

 【履く前に】 
スエード・ヌバックは起毛部に汚れやほこりが付着しやすく、水分にも弱い非常にデリケートな素材である。  したがって、履く前にスエード・ヌバック専用の防水スプレーをかけておくことが特に大切である。  スプレーをかけておくことで水分、油分等の汚れやほこりから靴を護ることが出来る。レインガード、エレガードで代用しても良い。  いづれにしても30cm以上離して被膜を作るよう均等に吹きつけること。

 【日常のお手入れ】 
履いた後にナイロンや毛のブラシで汚れやほこりを落としておくこと。  逆毛を立てるようにブラッシングし、その後順目に添ってなでつける。ブラッシングは汚れやほこりを落とすだけでなく、起毛の風合いを維持する効果があるので見た目にも良い。  但し、ブラッシングをすると以前にかけた防水スプレーの効果はなくなるので、再度かけておくこと。

 【汚れ】 
軽い部分的な汚れはスエード・ヌバック用の消しゴムタイプのクリーナーを使用する。ゴムに汚れが付着していないことを確認し、汚れた部分を少しずつこすっていく。 但し、強くこすりすぎると革を傷めてしまうので注意すること。  消しゴムタイプのクリーナーの代わりに食パンの白い部分を使用しても良い。 汚れがひどい時はスエードクリーナーやヌバッククリーナーを使用する。 市販されているものはほとんどがスプレー型発泡式のものである。  液体が革の毛足に入り込んで泡状となり、泡が汚れを浮き出させてくれる。  乾燥すると粉状になるので、よくはたいた後にブラッシングをする。

石鹸状のクリーナーもあるが、このタイプの使い方は通常の洗濯と同じであるので家庭用の毛糸洗い洗剤で代用出来る。  部分的に洗うと周囲との色変わりが目立つので、ボディーブラシかスポンジを使い思い切って全体を洗うこと。
乾燥には特に気を使うこと。  何度もよく拭き取り形をきちんと整えて「日陰干し」をする。  乾燥したら硬めのブラシで(歯ブラシでも可)起毛させる様にブラッシングをする。

 【色あせ】 
退色が気になる時はスエードカラー等の補色スプレーを使用することが出来る。
部分的に使用すると色ムラになりやすいので、ほこりや汚れを取り除いた後に全体に均一にスプレーをかける。  スプレーと靴との距離を一定にしながら行うと色ムラになることが少ない。  但し、目立たない部分で必ず試してから行うこと。

 【ソール&コバ】 
レザーソールの革は硬くて丈夫であるが、水分に弱くヒビ割れを起こしやすいので油分、栄養分の補給をしておくと良い。  タオル等に水を含ませ、ソールの汚れを拭き取る。  乾燥したら乳化性のクリームを塗り浸透させる。(ソールに限りミンクオイルも使用可)
スエード・ヌバック靴のコバは、スムースタイプの革靴の様にクリームを使用してブラッシング出来ないので、とにかくまめにブラッシングをして汚れやほこりを取り除くこと。

 【日頃の注意 その2】 
紐靴は必ず紐をゆるめてから脱ぎ履きをすること。  踵を擦り合わせて脱ぐと革を傷めてしまう。  特にスエード・ヌバックは擦り合わせた部分の毛足がなくなってしまうことがあるので注意。