----------------------------
□□昨日のつづき□□ 2002年12月25日号 VOL.010
□■メンテナンス・シリーズ
----------------------------
第8回 (1)Bagのメンテナンス
Bagの修理依頼の約90%は「糸のほつれ」と「金属に関すること」である。そして、その殆んどが日頃の自己チェックで防げるものであり、したがって無駄な修理費用がかからない。
【糸】
長年使用していくと糸が擦り切れたり、ほつれたりすることがある。
そのような場合は距離が長くならないうちに手縫いをすると良い。 革のBagはミシン穴が大きいので簡単に縫える。 特に革の重なる部分をチェックする事。
糸は木綿糸でも絹糸でも良いから同系色で。
【金具】
「ファスナー」 すべりが悪くなったらファスナースライダーを塗布する。ローソクをファスナーにこすりつけてみても良い。
「ホック」 止まらなくなった場合は販売店、メーカーに相談して交換してもらうこと。
「ネジ」 ネジ止めになっている金具は長期間使用しているとゆるんでくることがあるので、適宜ネジを締める様に習慣づけておくと不意の金具の脱落を防ぐことが出来る。
「くもり」 金具がくもった時は金属磨き布でこすると光沢が戻ってくる。 但し、こすり過ぎるとメッキ等もはがしてしまうことがあるので注意。
「緑青」 真鍮金具に緑青が出て来た時は拭き取るだけで良い。
【ショルダー】
常に負荷が大きくかかる部分の為、素材に適した油分、栄養分の
補給をしておくと傷みが少ない。
【角】
擦れることが多い部分の為、素材に適した油分、栄養分の補給をしておく。
クローム革は擦れすぎると革の下地の「グレー色」が出て来てしまうので注意。
【持ち手】
直接手が触れる部分の為、汗を吸収し、手垢や汚れも付着しやすい。
汗は革の繊維を弱くするので、日頃の油分、栄養の補給が特に大切である。
【中生地(裏地)】
長期間使用すると破れたり、切れたりすることがある。
中生地を新しいものに交換するには、バッグの全解体をしなければならない為、大変高額な費用がかかる。したがって少しでも切れた時にすぐに手縫いをしておくと、そこから一気に広がることは防ぐことが出来る。
【形くずれ】
使用時に無理に荷物を入れ過ぎないこと。
使用しない時は新聞紙等で詰め物をして形を整えておくと良い。
【長持ちさせるポイント】
どれほど丈夫な革で製作したバッグでも、毎日使い続けるのは修理の原因となります。
適度な休息が必要です。